アジアのプロデューサーとともに国際プラットフォームの実践を学ぶ
「Asian Producers’ Platform Camp(APPキャンプ)2024 マレーシア」の参加者たちが登壇し、交流も兼ねた報告セッションを行います。APPキャンプとは、アジアの舞台芸術に携わるアートプロデューサーによって形成される国境を越えたプラットフォームで、異文化交流の架け橋となるようなプロデューサーや制作者を増やすことを目的としています。 パネリストには日本からの参加者をはじめ、インドネシアからSekar Alit、マレーシアからImran Syafiq Mohd Affandi、シンガポールからCui Yin Mok、香港からIan Leungを、特別にゲストとして豊岡にお招きします。セッションでは、彼ら/彼女らによるプレゼンテーションをとおして国際的なプラットフォームの実践を学ぶとともに、アジアで活躍する多彩なプロデューサーと直に対話し、交流するネットワーキングの機会も提供します。
APP Camp2024 マレーシア【7月13日〜20日】レポート
<モデレーター>
河村竜也
豊岡市在住。アートプロデューサー、アートマネージャー、俳優。2005年〜2022年まで劇団「青年団」に俳優として参加し、国内外での公演、国際共同制作、フェスティバルなどに参加。2014年に劇団ホエイをプロデューサーとして立ち上げる。2020年より豊岡演劇祭プロデューサー、2021年より芸術文化観光専門職大学助教。
<パネリスト>
Sekar Alit (インドネシア)
インドネシア・スラバヤ在住。プロデューサー、プロダクション・マネージャー、振付家、ダンス・演劇講師として活動。伝統舞踊とコンテンポラリーダンスに取り組むダンスカンパニーとしてSawung Dance Studioを設立し、ラボラトリーダンス、若手振付家のレジデンス、ダンス公演、ワークショップ、セミナー講師、政府関連イベントなどに取り組む。過去10年間に20以上の伝統舞踊とコンテンポラリーダンスを制作。2015年、市内で唯一のコンテンポラリー・ダンス・フェスティバル「Sawung Dance Festival」を創設し、現在まで一貫して開催されている
Imran Syafiq Mohd Affandi (マレーシア)
クアラルンプール生まれ。マレーシア国立芸術文化遺産大学(ASWARA)舞踊学部において、2012年にディプロマ(最優秀)を、2015年に首席で学士号(パフォーマンス)を取得。ASK Dance Company(ADC)に入団し、同カンパニーで幅広く活躍。近年、クアラルンプール市芸術文化局より芸術実践者賞を受賞した。2016年にはADCのディレクターに就任し、主要なアウトリーチ・プログラムをマネジメント。カンパニーのクリエイティブ・プロデューサーとして、作品の一部をプロデュースしている。
Cui Yin Mok (シンガポール)
シンガポール在住。優れたアートがより良い方法で起こるための空間や条件を開拓することに関心を持つ。2008年以来、コンテンポラリー・パフォーマンス、ダンス、音楽、演劇、ビジュアル・アート、文芸、ソーシャル・エンゲイジド・プラクティス、実験的作品、プロセス・ベースの作品など、さまざまな分野のプロデュースを手がけるほか、アートやデザイン・フェスティバルのプロデュースにも携わっている。
Ian Leung (香港)
香港在住。香港アートフェスティバルのアウトリーチ部門を統括し、徹底した総合的な観客開発、学際的なコラボレーションを重視するプロデューサー。2013年から9年間、香港アートセンター(HKAC)でパフォーミング・アート、パブリック・アート、観客開発を統合したプログラムを運営した経験がある。
目澤芙裕子
13歳までヨーロッパで育ち、バレエやジャズダンス、ヒップホップダンスを習う中で、身体を通したコミュニケーションに出会う。桜美林大学総合文化学群演劇専修在学中にコンテンポラリーダンスを木佐貫邦子に師事し、舞台の世界に踏み込む。卒業後、文学座映画放送部での俳優マネージャー職と並行して、ダンスカンパニーBaobabのダンサー・制作を担う。ゴーチ ・ブラザーズに転職後、演出家マネジメント職と共に、公共劇場やフェスティバルの制作を行うほか、プロデュースも行う。演劇とダンス双方の経験を糧に、国際的なネットワーキングにも注力したマネジメント活動を行う。
武田侑子
パフォーミングアーツプロデューサー、コーディネーター。Transfield Studioのメンバーとしてツアーパフォーマンスの創作も行う。東京芸術大学大学院美術研究科芸術学専攻修了。これまで、フェスティバル/トーキョーで広報(2016年)や制作(2017-19年)をつとめ、2017年より同フェスティバル内の”アジアシリーズ”では、キュレーション、招聘、共同製作を担当した。2020年から2021年には文化庁新進芸術家海外派遣制度研修員としてWest Kowloon Cultural District (香港)に在籍。2022年東京芸術祭ではFTレーベル制作をつとめる。2023年よりフリーランスとして活動。国境、ジャンルなど、あらゆる境界を越えてなされる創作に関心を寄せる。
竹宮華美
愛媛県出身。京都を拠点にフリーランスでダンスやアート等のイベントマネジメントを行いながら、文化や芸術を通して生まれる「対話」に興味をもち活動する。
京都芸術大学舞台芸術研究センターに所属し文科省「共同利用・共同研究拠点」事業を担当(2015~2022)。その他、ダンサー児玉北斗、京都国際舞台芸術祭KYOTO EXPERIMENT等のプロジェクトに関わる。またAsia Producers Platform(2018~)、舞台芸術AiR研究会(2020~2023/セゾン文化財団)や日本・台湾の現代舞台芸術交流プログラム(2020~)等のネットワーキングや研究会にも参加し、創作プロセスの環境や可能性についても考えている。
台湾華語を学ぶため、2022年8月から1年間台湾・台北に留学。
新田幸生
国立台北芸術大学大学院アートマネジメント修士課程修了。舞台芸術のインディペンデント・プロデューサーとして、領域や国境を越えた共同制作に尽力し、Shakespeare’s Wild Sisters GroupやHuang Yi Studioと定期的に仕事をしている。關渡藝術節、台北フリンジフェスティバル、台北芸術祭などのプロデュースやマーケティングの経験を持ち、横浜の舞台芸術ミーティングTPAM交流プロジェクトの責任者でもある。近年は、アジアのコンサート、大型イベント、授賞式などのディレクター、クリエイター、コンサルタントとして活躍。日常的にさまざまなリソースを組み合わせる方法を考案するほか、台湾と日本の間で多くの文化・情報交流プロジェクトを立ち上げ、さまざまな方法で世界と関わり続けたいと願っている。時には執筆、翻訳、ダンスをしながら、マイペースで東京と台北を行き来している。